「夕方頃には頭がベタベタになってカッコ悪い…朝も夜もシャンプーしてるのになぜ…」
と、頭皮の脂性に悩んでいる人は案外多いですね。
しかし!朝も夜もシャンプーする習慣は脂性を悪化させる可能性が高いですよ!
他にもちょっとした習慣で脂性を常態化させてしまっている場合もあります。
今回は、頭皮の脂性がなぜ起こるのか、また、改善するには何をしたら効果的なのかをお話したいと思います。
しっかり読んで、自分が普段やってる習慣に当てはまる箇所があれば、直ぐに改善に乗り出しましょう!
皮脂って何?必要なもの?
頭のベタつきの原因である皮脂は、マラセチア菌という肌の常在菌の餌となり、その菌が出す物質で弱酸性が保たれ、雑菌などから皮膚を守ってくれるものなので、私達の体にとっては必要なものです。
しかし、食習慣や生活習慣などで中性脂肪が増えすぎると、余剰の中性脂肪は体外に排出される仕組みがあるため、皮脂の分泌過多へと繋がっていきます。
また、ストレスでも調節機能が狂い、皮脂が異常分泌されることもあります。
余分な皮脂は毛穴に詰まり、髪の育毛を妨げ、髪を細く弱くしていくため、オイリーな頭皮の人は薄毛に繋がりやすくなります。
そして男性ホルモンも皮脂過多の原因となります。
実は、男性ホルモンであるテストステロンやアンドロゲンが皮脂分泌の司令塔となっていて、男性ホルモンが多い人ほど皮脂過多になりやすい傾向にあります。
男性の3人に1人がなると言われている男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンが髪の毛を弱らせる酵素を発生させるというメカニズムで進行していきます。
女性の薄毛も同じことが言えます。
女性の場合は、中性脂肪の増加やストレス、更年期などにより、女性ホルモンの分泌が減って、相対的に男性ホルモンの量が増えるので皮脂過多が起こり、抜け毛が進行します。
脂性と薄毛は、男性ホルモンという共通のキーワードで繋がっているんですね。
かゆみが出たら要注意!
頭皮の脂が多い人は頭がかゆくなってきたら要注意です。
最初にお話した通り、頭皮にはマラセチア菌という常在菌がいて、皮脂を餌にしながら代謝物を出して肌を弱酸性に保っていると言いましたが、皮脂が過剰になるとこのマラセチア菌も繁殖します。
マラセチア菌が増えすぎると代謝物が遊離脂肪酸というキツイ成分に変わり、これが肌への刺激となり炎症を起こしてかゆみを発生させます。
脂が多くてかゆみが出てきた状態のことを「脂漏性皮膚炎」と言います。
皮膚炎まで行ってしまうと、頭皮ケアより病院での治療を優先させたほうがいい状態になります。
すでにかゆみで困っていると言う方は、早めに皮膚科に行ってくださいね。
マラセチア菌はカビなので、抗真菌剤の投与で治していきます。
頭皮が脂でベタベタになる原因と改善法とは?
では次に、頭がベタベタになる皮脂過多がどうして起こるかを詳しく説明していきます。
ほとんどの項目で当てはまってるんじゃないでしょうか?
食生活・生活習慣の乱れがある!
食生活、乱れてませんか?
コンビニ弁当ばかり食べたり、空腹感が特に満たされるので、肉類や脂っこいものばかり食べてませんか?
そんな食生活を続けると、35歳を過ぎる頃から中性脂肪の値が上がってきます。
甘いものや炭水化物ばかり食べている場合も、中性脂肪は上がってきます。
今すぐやめましょう!何かを偏って食べる習慣は早めに断ち切ったほうがいいです。
今はまだベタベタと薄毛に悩むだけですが、悪玉コレステロール値も上がり、徐々に血管が弱り万病を引き寄せます。
食事は基本的に自炊に切り替えていきましょう。
忙しいの時のたまの無茶はストレス発散にもなるのでいいですが、そうじゃない時はちゃんと自炊して、体に良い栄養バランスを意識していきましょう。
3つに仕切られたプレートを利用すると食べるバランスが分かりやすくて良いでしょう。
こういうお皿を用意して…
一番大きいところに野菜類、そして小さいところに炭水化物とタンパク質です。
小さい方の仕切りの大きさが違う時は、大きい方にタンパク質、小さい方に糖質=炭水化物です。
これは食事療法が必要な人に指導される割合ですが「食物繊維多め、タンパク質は程よく、糖質は少なめ」の理想的なバランスです。
生活習慣は、寝る時間が不規則だったり昼夜逆転だったり、お風呂に入らない日があったり、喫煙飲酒などの悪習慣を続けている人は改善していきましょう。
特に不規則は体にとってはストレス以外の何物でもありません。
ストレスは皮脂バランスを崩す原因となります。
お風呂に入らないと頭皮の清潔が保てませんし、喫煙や過度な飲酒は血管に悪影響を与え、血行がカギの育毛に大ダメージを与えます。
バランス良く食べて、きちんと生活リズムを守り、毎日お風呂に入って丁寧に頭皮をいたわり、喫煙飲酒は控える生活を送ってください。
頭皮の汚れを落とさずに寝る
これは絶対にやめてください。
ベタベタのままで明日も会社に行くのですか?
脂の酸化した臭いは自分ではわかりにくいかもしれませんが、人には本当に不快な臭いですし、生理的に受け付けない人も出てくるでしょう。
もっと良くないのは、皮脂は毛穴に詰まるという点です。
余分な皮脂はこまめに落とさないと確実に毛穴に詰まって、炎症を起こすきっかけとなります。
とは言っても、1日に何回も頭を洗うのはおすすめしません。
皮脂を落としすぎて、さらに皮脂過多になる恐れがあります。
1日1回、頭皮をいたわりながら優しく丁寧に洗うだけでいいのですから、ベタベタして困っている方は毎日の入浴、洗髪を徹底してください。
ほとんど運動をしていない
運動不足と皮脂なんてあまり関係ないイメージですが、実は大いに関係があります。
運動不足が長期化すると筋力が衰えてきますね。
筋力が衰えてくると、人間の体は冷えてくるのです。
男性よりも女性に冷え性が多いのは、筋力の差が大いに関係しています。
そして、人間の体は冷えてくると熱を放出しない方向へ働こうとします。
そこで皮脂が関係してきます。
頭皮だけでなく、全体的に皮脂の分泌を促して油の膜を作って熱を逃さないようにするのです。
余分な皮脂を出さないためには運動も必要だということがよくわかりますよね。
特に激しい筋トレなどは必要ありません。
毎日一定距離を歩く程度でも充分です。
毎日コツコツ続ければ、何もしないよりも筋肉の付き方は格段に変わります。
一駅手前で降りて歩くだけでもかなり違いますよ。
ストレスがたまっている
詳しい仕組みはまだはっきりとわかっていないのですが、資生堂の調べによると、ストレスを感じている人は、感じていない人に対し、約1.7倍も皮脂量が多いことがわかりました。
皮脂だけでなく、ストレスは体のあらゆる働きを狂わせますので、きちんと解消していくことが大切です。
ストレスを解消するには「ホッとする時間」を増やすのが一番です。
よく寝る、温めのお湯にゆっくり浸かるなどはストレス解消法でよく言われますね。
ストレスというのは要は自律神経の交感神経が高ぶっている状態ですので、意識的に副交感神経を働かせることをして交感神経の高ぶりを鎮めてやると、良いストレス解消になります。
- 身体を温める
- 深呼吸をする
- ストレッチをする
- 食事はゆっくりしっかり噛む
- たくさん笑う
- 自分の好きな音楽を聞く
こういう簡単なことでストレス解消になります。
毎日忙しくてそんな時間を確保するのも大変だとは思いますが、心身の健康のためです。
皮脂が必要以上に出るということは、体の仕組みとしてどこかが狂ってきている証拠でもあるので、リラックスする時を増やして体をいたわることを心がけていきましょう。
中年に差し掛かる年齢
男性でも女性でも、中高年に差し掛かると身体のあちこちに不具合が出てきますね。
それはどうしてかと言うと、あまり動かなくなり筋力が著しく低下して、基礎代謝量が変わってくることが影響しています。
基礎代謝量が減っているのに、40歳に差し掛かった頃なんてまだまだ若いつもりで、若い時と同じような食事量だったり食事内容だったりしますよね。
先にもお話しましたが、代謝できる量が減ったのに若い頃のままの油の摂取量では、油が余って中性脂肪として体に溜まっていきます。
その体内の余分な脂が、蓄積したストレスなどで体外に出やすくなり、頭はベタベタ、顔はギトギトの中年男性が出来上がります。
中年期の男性は特に、仕事で重要なポストを任されストレスも高い時期です。
接待も多く、自分で食事をコントロールするのが難しい場合もあるでしょう。
しかし、できるだけコントロールしていかないと、薄毛になる時は高い確率でやってきますし、中性脂肪が高い状態は健康に良いとは言えません。
髪や見た目の問題だけではなく、動脈硬化などにも繋がりやすく、命の危険までが忍び寄ってきている状態です。
甘く見てはいけません。
女性もメカニズムは一緒ですが、それに加えて「更年期」という女性特有の時期に入っていきます。
更年期は、妊娠を可能にしたり肌や髪の健康を守っていたエストロゲンの分泌量が減って、少量ですが元々女性にもある男性ホルモンの割合が増加します。
そのため、男性と同じようなメカニズムで皮脂量が多くなったり髪が薄くなったりします。
女性ホルモンは減るだけでゼロになることはありませんので、男性ほどひどい脱毛にはなりにくいですが、若い頃と同じように考えて無茶をすると薄毛は進行していきます。
意識して運動をする、規則正しい生活を守る、食生活を見直すことが大切です。
安いシャンプー使ってない?
女性はヘアケアにこだわって、シャンプー選びも慎重に行う傾向にあります。
しかし男性は「とりあえず洗えたら何でもいいや」と適当に考えて、ついつい安いシャンプーを使っている場合も多いかと思います。
女性でも薄毛に悩む人は、シャンプー選びを間違っているケースは多いです。
500円くらいまでの安いシャンプーというのは、アルコールを原料に使っているものが多くなります。
原料費が安く、安価に作れて洗浄力も強くてよく売れるので、メーカーはどうしても製造してしまいます。
確かに1日の汚れはしっかり落としてくれますが、頭皮にとっては刺激が強すぎますし、皮脂を落としすぎるのです。
脂性肌の頭皮は炎症ができやすいデリケートな状態にありますので、キレイになるとは言っても強い刺激物は使わないほうがいいです。
安いアルコール系シャンプーを使っていると、皮脂を完全に落として、また皮脂が過剰に分泌して、また落として、また皮脂がたくさん出て…のループとなります。
その間に脂漏性皮膚炎も進行してかゆみがひどくなり、それでも安いシャンプーを使っていると、やがて髪が弱って抜け毛が進行していきます。
悪循環ですので直ちに止めましょう。
皮脂がひどい方は「アミノ酸系シャンプー」を使ってください。
1,500円~3,000円くらいが相場でかなりお高いですが、頭皮への刺激が少なく優しく洗い上げてくれます。
ついでに、育毛成分が入った育毛シャンプーを利用すると抜け毛へのケアにもなります。
皮脂分泌が多い方の頭の洗い方ですが…
シャンプーの方法
- お風呂に入る前にクシでとかして指通りを良くしておく
- お湯をしっかりかけて、脂の大半を落としてしまう
- シャンプーを泡立てて頭につける
- 優しく、指の腹を使って頭皮を揉むように洗う
- すすぎ残しがないようにしっかりと流す
この工程を毎日守ってください。
特に、シャンプーの原液を直接つけて洗わないことと、爪を立ててガシガシ洗わないこと、洗い残しに注意することが大切です。
物理的刺激を与えるとすぐに荒れてしまう頭皮環境だからです。
それでも治らない場合は…
すでにかゆみが出ている場合は、まずお医者さんへ行きましょうと最初にもお話しました。
しかし、まだかゆみは出てないけどベタつきは気になる…でも病院行くほど困ってない…と言う方が上記の対策を行っても改善しない場合は、やはりお医者さんの力を借りるのが懸命です。
皮脂の多い状態を長く続けると、遠からずかゆみが出て脂漏性皮膚炎になっていきます。
ひどくなる前に治療を開始すれば、それほど長期化せずに良い状態になることでしょう。
しかし病院に行っても、生活習慣や食生活の改善、シャンプーの選択は言われることです。
病院に行くと決めても、上記の対策は継続するようにしてくださいね。
まとめ
頭皮のベタベタは見た目の印象も悪いし、臭いも気になるしで、深い悩みのタネとなっていることでしょう。
ある程度は自分の努力で改善できるのですから、食事の改善、生活習慣の改善、運動不足解消、ストレスの解消、シャンプーの選択を早く実践して、改善しやすい状態にしていきましょう。
まずは、手っ取り早いシャンプーから変えていきましょうか!
これならすぐにでも対策できますね♪